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レポート MFAJのお知らせ

2023.06.16

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【6/9】理解増進法案記者会見のご報告

性的少数者への理解を広げることが目的といわれている、いわゆるLGBT理解増進法案につき、2023年6月9日、与党(自民党・公明党)、日本維新の会、国民民主党の4党合意による再修正案が衆議院の内閣委員会で可決されました。

これを受け、私たちマリフォーは、Pride7日本実行委員会のメンバーとして、同日に、LGBT法連合会さま、ヒューマンライツウォッチさまとともに合同記者会見を行い、再修正案に対する懸念や不安を訴えました。

 

(写真左から、神谷さま、林さま、土井さま、寺原、松中)

マリフォーからは、代表理事の寺原真希子、理事の松中権が出席しました。

また、LGBT法連合会さまからは代表理事の林さまと事務局長の神谷さま、ヒューマンライツウォッチさまからは日本代表の土井香苗さまが出席されました。

 

マリフォー寺原からは、

寺原真希子代表理事

「結婚の平等を求めて活動してきた団体として、法律上の同性同士が結婚できないという現状は、国による差別の象徴であるという認識でいる。また、6/8の福岡地裁判決においても、現在の法律は個人の尊厳に照らして憲法違反であると判断され、全国5地裁(一次訴訟)での判決が出揃った。

そのうちの4つの判決が現在の法律ないし現状を違憲と判断しており、合憲と判断した大阪地裁判決も、社会状況によっては将来違憲になる可能性があるとしている。

そういった中で、特に再修正案12条(※)が追加された経緯についての今日の衆議院内閣委員会における説明を見ると、国会に対し性的マイノリティの人権保障のための法整備を求めている司法・裁判所のメッセージからはあまりにも乖離している。

ある議員が公に発言しているように『行き過ぎた』条例や教育への抑止力として運用されてしまうならば、理解増進ではなく理解抑制の結果をもたらしてしまう懸念がある。

国会は、司法から突きつけられている責務を直視して、性的マイノリティの人権保障のための法整備に取り組んでほしい」

と訴えました。

 

(※)再修正案第12条

この法律に定める措置の実施等に当たっては、性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意するものとする。この場合において、政府は、その運用に必要な指針を策定するものとする。

 

また、マリフォー松中からは、

松中権 理事

「今日、衆議院内閣委員会の傍聴をした。一人のゲイ当事者として、生で国会議員がマジョリティの人権、マジョリティへの配慮ということを何度も繰り返している場面を目の当たりにしてきた。

理解増進法案は、差別を受けていじめられている当事者のための法律であるにもかかわらず、マジョリティのための法律だったのかと考えさせられる厳しい時間だった。

2年前、超党派の議連において各党合意で法律が成立間近であったにも関わらず、自民党の内部からの反対があり法案とならず、裏切られた思いが残ったが、2度期待を裏切られるのかという思い。

そして、今回は法律ができたことで期待を裏切られることになる。

再修正案では、民間団体の自発的活動という文言が削除された。

自発的にやることを促進するのではなく、削除した。

民間活動というのは、LGBTQの権利向上に向けたこれまでの地道な活動を引っ張ってきたもの。

それを削除する、抑制するというのは悲しく、怒りを覚える。

再修正案は、本当に理解を抑制、制限、後退させるものだと感じている。そのことを多くの方に知ってもらいたい。

当事者不在のままで法案が通るのではなく、より多くの方が安全安心に暮らすことができる社会を目指して欲しいと強く願っている」

と訴えました。

 

そのほか、

左から、神谷さま、林さま、土井さま

神谷さまからは、今回の再修正案の内容がマイノリティに寄り添ったものではなく、当事者が不幸になる懸念がある等のご発言があり、

 

また、林さまからは、法律ができることを心から楽しみにしている方々が全国にいる一方、その法律がこんなものだと知って愕然ととする方、希望をもつ方、ダメだと思う方、これまで連帯してきた仲間たちに分断が生じていることを憂慮されている等のご発言があり、

 

さらに、土井さまからは、世界中どの国家も自国民を差別から守る義務を国際法上負っているが、今回の再修正案はその義務の履行といえるボトムラインにすら遠く及ばないものである等のご発言がありました。

 

6月13日、再修正案は衆議院本会議においても可決され、引き続き参議院での審議に入ります。

また、本日6月16日には参議院本会議での審議も予定されております。

 

私たちマリフォーは、団体の目的である結婚の平等(同性婚の法制化)実現の観点から、いわゆるLGBT理解増進法案の動向についても注視し、活動して参ります。


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