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最新情報

東京訴訟 裁判情報

2021.10.19

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【東京・1次訴訟】第8回期日(尋問期日)報告!

「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟弁護団の皆さまより、先日10/11に開かれた第8回期日(尋問期日)と、その後の期日報告会についてのレポートをいただきましたので共有いたします!!


「結婚の自由をすべての人に」東京第1次訴訟

回口頭弁論期日(尋問期日)報告

 

(尋問が行われる法廷に向かう原告と弁護団)

 

【第8回口頭弁論期日の内容】

 

以下のとおり、第8回口頭弁論期日(尋問期日)が行われました。

 

<概要>

日 時:20211011日 1030分から1610

場 所:東京地方裁判所103号法廷

裁判官:池原桃子裁判長、益留龍也裁判官、岡崎真実裁判官

(民事16部乙合議B

出 席:原告7名 原告代理人  被告代理人

 

 

1.追加提出書証の取調べ

 原告側から追加提出していた各書証(原告らの陳述書等)の取調べが行われました。

 

. 本人尋問・証人尋問

 本日の期日では、原告本人らに対する尋問と、原告の家族1名の証人尋問が実施されました。

 以下、尋問のハイライトを原告の皆さんごとにまとめました。

 

(尋問前、緊張の原告たち)

 

(1) 小野さん

 パートナーの西川さんと共に3人の子ども達を育ててきた小野さん。男女の夫婦の家庭が子育てに奮闘するのと同じように、お二人と子どもたちとで家族としての日常を過ごしてきたことをお話いただきました。

一方で、子ども達が小学校の間は、学校にお二人の関係をカミングアウトすることができず、家の外では家族のことをありのままに話せずにいました。小学校低学年だった子ども(小野さんの実子)が日記に西川さんのことを書いた際、学校の先生に「これは誰ですか?」とコメントされ、それ以降その子は外で西川さんのことを話さなくなったそうです。

小野さんと西川さんは、結婚式を挙げるタイミングで、小学生だった子どもたちにカミングアウトしました。その際、お子さんが女性同士では結婚できないから法律違反になって罰せられるのではないかと心配したため、海外では同性同士で結婚できる国もあるし、日本で結婚式をしても法律違反になるわけじゃないよと話しました。

自身が乳がんであるとわかったとき、告知や病状説明などの場面で西川さんも家族として病院に扱わってもらえるのか、自分に万一何かあったときに子どもたちのことを西川さんに任せられるのか等の様々な不安に直面し、抗がん剤治療で辛い思いをする中で、更に精神的に追い込まれてしまったことや、自治体のパートナーシップ制度だけではそういった不安は解消できないことをお話いただきました。

日本にも子育てをしている同性カップルはたくさんいる、自分たち家族は法的保障のない中で苦労してきたけれど、同性カップルの子どもが伸び伸びと育つことができる社会になることを望みます、と最後に締め括りました。

 

⑵ 西川さん

 小野さんと出会い、一緒に暮らすようになったとき、小野さんには2

人、西川さんには1人のお子さんがそれぞれいました。5人で家庭を築いていくなかで、西川さんは長年抱えていた孤独から解放され、自分も家族を持てたんだと幸せを感じるようになったそうです。西川さんが料理上手ということで、子どもたちに評判の野菜炒め最強エピソードをお話いただいた際は、裁判官や傍聴席の方々からも笑みがこぼれました。

 一方で、当時小野さん達とのことをなどで話すことはあまりできなかったそうです。小野さんの実子が小学校低学年の頃、家族5人で海に出かけたことを描いた絵日記には、他の家族が大きくカラフルに描かれているその横に、西川さんと西川さんの実子が小さく棒人間のように書き添えられていたそうです。家族として幸せな生活を楽しく送っているのに、自分だけでなく幼い子ども達にも、一歩外に出ると家族のことをありのままに言えなくなってしまう、そんな思いをさせてしまったことがかわいそうで、申し訳ない気持ちになったと言いました。

 

(原告の小野さん(右)と西川さん(左))

 

 

⑶ よしさん

 よしさんの尋問では、前半では、ゲイであることは誰にも知られてはいけない、自分は1人で生きていくんだと決意して誰とも交際せずにいたよしさんが、お父様の死をきっかけに生涯の伴侶を求める気持ちになり、パートナー佐藤郁夫さんと出会ったことや、2人の日常生活、結婚式のお話などが語られました。

 また後半では、佐藤さんが2021年1月に病気で亡くなった際のことをお話いただきました。倒れて緊急搬送された佐藤さんに同伴したよしさんは、病院側にパートナーであると伝えたにもかかわらず、医師に「血縁者ですか」と聞かれ、病名や病状の説明を受けることができませんでした。その後もよしさんは入院中の佐藤さんの状態を佐藤さんの妹さん経由でしか知ることができませんでした。残念ながら佐藤さんが亡くなり、一目会おうと仮安置所を訪れた際には、来場者名簿の続柄欄に「パートナー」ではなく「知人」と書かざるを得なかった時のお気持ちをお話ただきました。

 まだ佐藤さんが亡くなられた哀しみの癒えないなかで、当時の理不尽な御経験を振り返ることの負担は計り知れませんが、「この裁判に勝つまで一緒にいようね」と生前お話されていた佐藤さんの思いを無駄にしたくないというよしさんの思いは、きっと裁判官にも届いたと思います。

 

 

 

⑷ 小川さん

 小川さんの尋問では、自身のセクシュアリティを自覚してからの葛藤の他、大江さんとの生活の様子や、同性どうしで法律婚ができないことによる不利益についてお話しいただきました。

 法律婚ができないことによる不利益としては、4年くらい前、小川さんが体調を崩し、医師から治療のため入院をすすめられた際、入院の際に保証人として大江のことを書きたいが、パートナーであるということの説明をする気力がわかず、入院を諦めてしまったこと、昨年に大江さんの母親が亡くなった際に、職場で忌引休暇を取得できなかったこと等をお話しいただきました。

 大江さんとの生活については、大江さんは鳥を飼っていたが、小川さんは大江さんよりも綺麗好きであったため、一緒に住み始めた最初の頃は、鳥の餌などが床にこぼれるのが気になっていたが、次第に「まあこぼれていてもいいか」と思えるようになったこと等をお話しいただきました。

 

(原告の小川さん)

 

⑸ 大江さん

 大江さんの尋問では、後半に、大江さんや小川さんが運営に携わっているLOUDや、相談事業についてのお話しいただきました。

 LOUDとは、セクシャルマイノリティの方のためのコミュニティであり、これまで十数万人の人が訪れていること、多くの方が、日常を感じられる居場所を求めてLOUDを訪れること、それだけ社会の中で安心できる場所を作るのが難しいという現状についてお話しいただきました。

 また、大江さんや小川さんが、セクシャルマイノリティの相談事業等を通じて、多くの悩み相談を受けてきたこと、セクシャルマイノリティの方の悩みは、周囲の方の無理解や、異性愛者を装いながら生活することへの疲労等から、メンタルヘルスに支障が生じることが多いこと、職場での人間関係の構築がうまくいかず、経済的な困窮がもたらされることが多いこと、そのようなセクシャルマイノリティの方の悩みを解消するには、同性どうしで法律婚ができるような社会が求められること等についてお話しいただきました。

 

(原告の大江さん)

 

⑹ かつさん

 かつさんには、幼少期から男性に恋心のような気持ちを抱くようになり、「つきあう」ということへの憧れから女性ともお付き合いを試みたものの女性に興味をもつことができず短期間で交際を終えることになってしまった専門学校時代のご経験をお話していただきました。

 専門学校時代のご経験としては、同性愛が非難やゴシップとして扱われていたことなどから、自身の性的指向について知識を得ようとインターネットで検索したりする一方で、自身がゲイであるということを認められない感覚もあり葛藤を抱えておられたことについても語っていただきました。

 また、24、5歳の頃に年下の男性と交際するなかで自身のセクシュアリティを受け入れられるようになっていったこと、スマホアプリを通じて現在のパートナーであるただしさんとの出会い、交際を続けるなかで二人の関係を安定的なものにしたいと考え、生まれ育った九州を離れ、ただしさんとの東京での生活を始める決意をされるにいたったことについても語っていただきました。

 尋問の後半では、ただしさんとの同性を始めるにあたってのご家族へのカミングアウト、同棲を始めてからのただしさんとの日常、かつさんとただしさんの御両親との関係、本訴訟に原告として参加することへの御両親の反応についてもお話しいただきました。

 

 

⑺ ただしさん

 幼少期に同性に特別な感情を抱くようになってから、罪悪感に悩み、葛藤し続けたことをお話しいただきました。また、どうしてもセクシュアリティは変えられないと諦めていったときの感情についてもお話しいただきました。

 かつさんとの日常生活についてもお話しいただきました。自分と全く違うかつさんを見ていると、和んだり、安心したりするそうで、かつさんがテレビアニメを見てケラケラと笑う様子を見るとつられて笑ってしまうそうです。

 ただしさんたちは、渋谷区に住んでいた時に自治体のパートナーシップ 制度を利用しませんでした。自治体のパートナーシップ 制度はお守りのような意義はあるものの婚姻と違って法的効力がないためです。もしも婚姻と同じ法的効力を持つ国のパートナーシップ制度が作られたとしても利用しないと言い切りました。自分が欲しいものは男女カップルと同じ権利と選択肢であり、違う制度を手にしたら自分を二級市民と感じてしまうからです、と語りました。

 母親にカミングアウトした時のことについては、母親が徐々に理解を示し、かつさんとも親しくなっていった様子についてもお話しいただきました。カミングアウトすることで出来損ないと思われ母に愛されなくなることを怖れていたが、自分のセクシュアリティを一番受け入れていなかったのは自分だと気づいた出来事だったそうです。自分が男の子を好きだと気づいたとき、同性と結婚する選択肢があれば、自分のことを卑下することはなかったし、人生の選択肢を狭めることはなかったと思うとのことでした。

 

(原告のただしさん)

 

⑻ 原告のご家族

 家族から同性が好きだと打ち明けられた時、何も抵抗がなかったそうです。自分以外の家族へのカミングアウトを手伝ったこと、家族の不安や家族が原告らカップルを受け入れていく様子についてもお話いただきました。

 原告の結婚式に出席したとき、自身の結婚までの道のりがいかにスムーズであったか実感し、二人で生きていくことの意味の重さに目を開かされたとのことでした。もし、同性同士の結婚が認められていたら、自分と同じように、家族も不安なく心から祝福できたと思うそうです。

 セクシュアルマイノリティーの方々が差別や偏見に苦しみ、自死率が高いことを知り、原告がその選択をしなかったことに安堵するとともに、カミングアウトの時、もっと力になれたのではないかと後悔しているとのことでした。

 

 

 

(9) 反対尋問・補充尋問

 被告側からの原告に対する反対尋問は、次のような内容のものがありました。

 

・闘病の際に同性カップルであることで不便に感じた具体的なことは何か。

・同性のパートナーを家族と認めてもらうように準備をしたことで、具体的にどの不都合に役に立ったか。

・パートナーシップ制度を利用しただけでは解消しなかった不都合・不利益について、実際には具体的にどんなことがあったことか。

・自治体のパートナーシップ制度を利用しようと考えたことはないのか。

 

 なお、裁判所からの補充尋問はありませんでした。

 

 

3.被告の主張予定

 被告からは、1022日までに「原告第19準備書面」に対する反論の書面を提出する予定であることが表明されました。

 

4.今後の予定

 裁判所から、今後の審理の進行予定として、以下の2つの期日が指定されました。

①20211117日(水)1400~ 進行協議期日(非公開の手続・傍聴不可)

 

②2022年29日(水)1400~ 第9回口頭弁論期日(公開審理・傍聴可)
                 @東京地方裁判所103号法廷

 

 

【オンライン期日報告会】

尋問期日終了後、オンライン期日報告会を実施し、YouTubeで生配信いたしました。

(原告と弁護団が集まって会場から報告会を生配信)

 

日 時:20211011日 18:00

URL:https://youtu.be/XcnxMv3Dwds (アーカイブあり)

登壇者:

 原告:小野さん、西川さん、小川さん、大江さん、かつさん、ただしさん、

 原告代理人:寺原弁護士、上杉弁護士、南川弁護士、横山弁護士、松田弁護士、北條弁護士、樋田弁護士、佐藤樹弁護士(司会)

 


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