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レポート ボランティア・インターン

2019.12.20

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ウェディング業界の皆さま向けのセミナーを行いました!

12月3日、Nagatacho GRiDにて、Marriage For All Japan(以下、「マリフォー」)の主催で、ウェディング業界向けセミナー「LGBTQの結婚・結婚式をどう実現させていく?-これからの時代の結婚式を考える-」を開催しました。ライターとして参加したボランティアの村山が、当日の模様をレポートします。

    
会場には、ウェディング業界で働く人たちが30人ほど集まっていました。セミナーの第一部は、「本当のところ、どうなんですか? ぶっちゃけシェア」と題し、LGBTQのカップルの挙式を行っている3社から、ケーススタディを学ぶことに。

(左から,吉田勇佑さん、吉田紗苗さん、丸江みゆきさん)

登壇したのは、IWAI OMOTESANDOの支配人、吉田勇佑さん(株式会社CRAZY)、麻布迎賓館の支配人、吉田紗苗さん(株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ)、ジャスマック青山の広報、丸江みゆきさん(株式会社ジャスマック)です。たとえば、レズビアンのカップルの挙式のケースでは、「新郎新婦ではなく新婦が二人になるので、どう呼ぶか、というところから迷う」といった悩みや、トランスジェンダー同士のカップルでは、男性の体で生まれ女性として暮らしている方のドレスを探すために貸してくれるショップを探す必要があったなど、実例が紹介されました。

 

LGBTQの挙式を行うにあたっての悩みや難しさに話題が及ぶと、「気遣いすることで逆に傷つけるかも」「LGBTQの挙式に取り組みたいけれど、ビジネスになるかという葛藤もある」と、さまざまな正直な想いが飛び出しました。その中で、「同性婚の法制化はまだでも、同性カップルの挙式が当たり前という空気感を作っていけるのでは」という発言もあり、これからもっとLGBTQの当事者が挙式できる環境が生まれていくのを期待したいです。

 

続いて第二部では、同性カップルとして結婚式を挙げた当事者が登壇。

(左から、七崎良輔さん、渡部恵理さん)

築地本願寺で結婚式を挙げた、ゲイの七崎良輔さんは、LGBT専門のウェディングなどを扱う合同会社Juerias LGBT Weddingの共同代表でもあります。IWAI OMOTESANDOのプロデューサーである渡部恵理さんが七崎さんに、挙式に至るまでの話を尋ねる形で話が進んでいきました。

 

終始ユーモアを交えながら話していた七崎さんですが、挙式当日も一般の参拝者が来ることもあって、「石を投げられるんじゃないかと不安でした」という言葉に本音が顔をのぞかせていました。LGBTQに対するあからさまな差別は少ないと言われる日本ですが、当事者が向き合う日々の不安を突きつけられた気がしました。

 

「0.1秒を乗り越えて」というタイトルを題したこの第二部。これは、ウェディング会場に問い合わせてカミングアウトした瞬間に、相手から生じる0.1秒のとまどいを表したもの。「勇気を出してきた人を傷つけないでほしい」という七崎さんの言葉は、ウェディング業界で働く人だけでなく、誰しもが心に刻んでおきたいと感じました。

 

第三部は、マリフォー代表理事の寺原真希子弁護士と、合同会社Juerias LGBT Weddingの野崎映里さんによる、「日本での同性婚の法制化に向けて」。

(右から、野崎映里さん、寺原代表)

同性婚の法制化についてのお話では、特にウェディング業界の人向けの内容が興味深かったです。たとえば、アメリカで同性婚が認められてから、2015年と2016年では、1組のカップルが結婚式にかける費用が倍近くに上昇したという調査結果があるそう。もちろん同性婚の法制化だけが要因ではありませんが、法制化されることで周りが認め、親からの援助が受けられたり、大規模な式ができるようになるといった影響が考えられるそうです。

 

さらに同性婚を法制化するためにできることとしては、経済の観点からも同性婚が必要という声を企業として上げることもあるそうです。マリフォーと関連団体でも、既に企業の声を集める活動に力を入れています。

 

マリフォーの活動について話す中で、野崎さんは11月19日に議員会館で行われたマリフォー国会の感想を口にし、病気を抱える当事者の話に触れました。「いつか同性婚ができたらいいよねって思ってしまっていた。いつか、が迎えられない人がいるかもしれないことに気づいた」という言葉は、法制化に向けた活動に共感するからこそ忘れずにいたいものです。

 

最後の挨拶では、寺原さんから「同性婚の法制化は夢物語ではなく、同性婚は確実に実現します。ウェディング業界としてそのときのために準備しておく必要があるし、同性婚の法制化へ向けて業界として声をあげていただき、実現する瞬間を一緒に迎えられたら素敵ですね」と、ウェディング業界の人たちへのメッセージで締めくくられました。


人の幸せのお手伝いをするウェディング業界で働く人の集りということもあって、明るくオープンな空気が漂う、温かなセミナーとなりました。マリフォーでは、関連業界の人たちとも一緒に、同性婚の法制化に向けて活動を進めていきます。

 

マリフォーHP: https://marriageforall.jp/

twitter: https://twitter.com/marriage4all_

今回の記事もボランティアの方にご執筆頂きました!

マリフォーでは記事執筆のほか,写真・映像編集そのほかさまざまな分野でのボランティアを募集しています。

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