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九州訴訟 裁判情報

2020.07.31

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【九州】第3回裁判報告!

九州弁護団からのお知らせです。

「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟第3回期日報告

横断幕やプラカードを持って傍聴に来られた方をお迎えする弁護団員

日時:2020年7月30日(木) 15時30分から15時40分

場所:福岡地方裁判所の第101号法廷

裁判官:立川毅裁判官、石山仁朗裁判官、田中悠裁判官

内容:

本来5月25日に予定されていた第3回目の裁判ですが、新型コロナウィルスの影響により、本日に延期となりました。傍聴席は30席ということで、法廷の席全てに座ることができず、普段の約3分の1の席数でした。

今回も、暑い中でも傍聴のためにたくさんの方が足を運んでくださいました。感染拡大防止のため、傍聴席の数は本来の定員よりも減らされましたが、傍聴はギリギリ抽選にならず、参加していただいた方はみなさん傍聴席に入ることができました。

なお、本日は、3月に福岡地裁に訴状を提出した熊本のこうぞうさんの意見陳述(法廷でのスピーチ)が行われる予定でした。しかし、福岡の裁判所で福岡原告と一緒に裁判できるかどうかについての裁判所の判断が出なかったため、本日予定されていたこうぞうさんのスピーチは行われませんでした。

熊本原告こうぞうさん、ゆうたさんの裁判が今後どうなるかは、分かり次第お知らせします。

【本日の裁判の内容】

1.被告・第2準備書面の正式提出

2.原告・第3準備書面の正式提出

3.原告・第4準備書面の正式提出

4.原告提出証拠(甲110~甲A132)の取調べ 証拠説明書3

5.被告提出証拠(乙1~乙17)の取調べ 証拠説明書(1)

6.代理人による意見陳述

本日の裁判では、弁護団の徳原聖雨弁護士が意見陳述(スピーチ)を行いました。

徳原弁護士は、原告・第4準備書面をもとに、婚姻できる異性カップルの配偶者には、多くの法律上及び事実上の権利が認められているが、婚姻できない同性カップルにはそのような権利や利益がないと述べました。相続や税金、子育ての場面における不利益や、医療の場面で受け得る不利益など、具体的な例を挙げ、説得的に示しました。そして、同性カップルは婚姻できないことからこれらの権利や利益を得られず不平等であることを、法廷の端から端まで響き渡る力強い声で意見を述べました。

  • 次回期日までの進め方についての協議

裁判所から、弁護団に対し、原告からの主張は第3、第4準備書面(※)でいったん終わりかという質問がありました。

これに対し、弁護団は、①国の第2準備書面に反論する書面を提出予定であること、②今後も学者の意見を踏まえた主張を追加する予定であることを述べました。弁護団は、①は次回の裁判までに提出するが、②については、次回の裁判で提出時期の目途を伝えられる予定であると述べました。

裁判所から、国に、今後の主張の予定を質問したところ、国は、原告からの反論書面(上記①の書面)を待って、原告の第3準備書面、第4準備書面とあわせて反論を検討したいと述べました。

※「準備書面」とは、それぞれの主張を書いた書面のことです。

  • 次回の裁判の日程調整

弁護団は、国の第2準備書面に対する反論書面の提出には、約1か月半程度時間がほしいと伝えました。また、次回の裁判期日は、11月中旬以降を希望する旨述べました。

国は、次回の裁判期日までにどの程度の時間が必要かは、原告から提出された書面の内容にもよると述べつつ、可能な範囲で次回の裁判期日までに反論をすると述べました。

今回提出された書類は、Call4の「結婚の自由をすべての人に訴訟(同性婚訴訟)」に掲載していますので、ぜひご覧ください。

次回期日

追記(20201104) 延期になりました。

(2020年11月16日(月) 14時00分(第4回口頭弁論))

次回日程は分かり次第、マリフォーのブログ(この報告を載せているこのページです)、「結婚の自由をすべての人に」訴訟・九州のtwitter(@KejisubeKyushu https://twitter.com/KejisubeKyushu等にてお知らせします。

また、当日、オンライン交流会や配信がありますので、こちらをご覧ください。

期日報告会

裁判が終了したあと、記者会見が行われ、その後期日報告会を行いました。

これまでの裁判に来られた方や、今回はじめて来ていただいた方など、たくさんの方に参加していただきました。

本日は、原告のまさひろさん、こうすけさん、弁護団メンバーのほかに、3月に提訴した熊本のこうぞうさん、ゆうたさんも記者会見及び期日報告会に登壇しました。

報告会では、まず、まさひろさん、こうすけさん、こうぞうさん、ゆうたさんが挨拶を行いました。

まさひろさんとこうすけさん まさひろさんがマイクを持っている

まさひろさん「今日来られなかった人たちからもメッセージをもらった。訴訟自体が、(自分たちだけでなく)ほかの人たちにも望まれているものだと改めて思った」

こうすけさん「同性婚が法制化されてすぐに変わるわけではないけど、あるのとないのとでは違う。声を上げ続けなければいけないと思う」

こうぞうさんとゆうたさん こうぞうさんがマイクを持っている

こうぞうさん「声を上げ続け、味方を増やし、社会の『当たり前』を変えるしかないんだろうなと思っている。自分の生きている間にどうにかしたい」

ゆうたさん「諦めず、長くかかっても、より多くの人が幸せになれるはずなのになれていないというのは言い続け、多くの人がより幸せになる世の中になればいいと思っている」

また、傍聴に来てくださった方々、傍聴には来られなかったけれども応援して下さる方々への感謝の気持ちを述べました。

その後、質疑応答・応援メッセージコーナーを行いました。原告さんたちへの応援の言葉、はじめて裁判傍聴をされた方からのコメント、裁判の勝率に関する質問、先日名古屋地裁であった犯罪被害者給付金に関する質問がありました。

最後に、この裁判を応援するために設立された「けじすべ応援団・KOE」の代表から、団体の趣旨説明、団体への参加の呼びかけをしていただきました。

また、8月22日に福岡で、アメリカ・カリフォルニア州での同性婚裁判を追ったドキュメンタリー映画『ジェンダー・マリアージュ』の上映会の予定があることを教えてもらいました(この上映会のことはマリフォーのTwitterなどでも詳細がおってお知らせになる予定とのことです)。

※本日来られなかった方のために、オンラインでも報告会を行いました。裁判の流れ、本日の裁判の説明のほか、原告の皆さんからのコメントもありますので、ぜひご覧ください!

https://youtu.be/98Xhx4Jg4lshttps://www.youtube.com/watch?v=JD4o57pmu-w

↑字幕がつきました

ライブ報告配信の様子 原告さんと弁護団員が手を振っている

本日は第3回目の裁判でしたが、裁判はまだまだ続きます。

裁判を傍聴することは、裁判所だけでなく、社会に問題の重要性を訴え、社会の関心を高めるための大事な手段のひとつです。

新型コロナウイルスに関し先の見通しがなかなか立てづらい事態とはなっていますが、次回以降も、傍聴席が満席になるほどのご参加をお待ちしております!


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